KiCad Advent Calendar 2015,1日目は yoneken さんの KiCadの始め方 でした. 僭越ながらつなぎの次鋒をつとめさせていただきます. 内容としては,先日走り書きした 小型ロボットに使いやすい表面実装ブザー の補強版のような感じです.
モチベーション
小さな基板にブザーを載せたいけどスペースが足りない!という場面に遭遇したことはないですか? … あんまりないですよね.ですが,この記事を読んだらそんな基板が作りたくなるかもしれません.
私はマイクロマウスという小型のロボットを製作しているのですが,基板面積や厚みを削って軽量化/低慣性モーメント化を図りたいとか,部品の重量を削りたいとか,そういう世界で勝負をされている方々もいらっしゃいます.(今年の最軽量機体はなんと5.5gでした・・・!→こじまうす11) そこまで極端な話でなくとも,ブザーがスペースを食うのは見た目的にも部品の配置的にも好ましくないことがあります.
紹介する部品
そこで登場するのが…
こちらの PUI Audio 社製の小型表面実装ブザー SMT-0540-S-R です.カタログのカテゴリ上は “transducer” というものに入っていますが,用途的にはブザーです. 波を入れれば音が鳴ります.注意すべきは,最大電流が 100 mA と少し大きいので,マイコンのピンでの直接駆動がおすすめできないという点ぐらいでしょうか. 詳しい情報は製造元のウェブサイトをご覧ください.
お値段は少し高くて,1個あたり $3.50 近くします.そういうわけであんまりほいほい積めるものではないのですが,一点もので小さくすっきり仕上げたい場合には大変重宝する部品です.
2年ほど前の映像ですが,こんな感じで鳴ります.
周波数によりますが,音量は結構出せます.さすがに人混みの中で聞こえるレベルではありませんが… (ちなみにこのロボットの基板はEagleで設計していました)
フットプリント
ライブラリづくりは回路CADの宿命ですが,結構めんどくさいですよね…
ということで使ってみたくなったあなたのためにフットプリントを公開します. 今回写真でご紹介した SMT-0540-S-R のほかに,もう一回り小さい SMT-0440-S-R のフットプリントもおつけします.
- ダウンロードはこちら pui_transducer.mod
シンボルには通常のスピーカーマークを使いましょう.シンボルとフットプリントが分離されているのは KiCad の良いところでもあり大変なところでもありますね… KiCad 2013 stable版向けに作ってあります.異なるバージョンに対しては何かしら変換が必要かもしれません. 一応作例はあるので問題なく使用できるとは思いますが,万が一このフットプリントを使用したことで生じた不利益等については私は補償いたしませんので,予めご了承のうえお使いください.
まとめ
- PUI Audio 社の小型ブザーを紹介した
- KiCad で使えるフットプリントを公開した
3日目は starfortさん です!